本ページの内容は個人的な研究につき、
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最終更新:2012/09/09 加筆修正
2013/11/20:2013 年版 をアップロードしました。
概要
はじめに
測定手法
測定対象
結果1.地上デジタル放送
|
チャンネル番号 / チャンネル名 | 実質カットオフ周波数 [Hz] | スペクトラム [range: 0-22kHz] |
1 / NHK 総合(東京) | 20.0k | |
2 / NHK 教育(東京) | 20.0k | 画像 |
4 / 日本テレビ(NTV) | 15.0k | |
5 / テレビ朝日(EX) | 15.0k | |
6 / TBS(TBS) | 15.0k | |
7 / テレビ東京(TX) | 15.0k | |
8 / フジテレビ(CX) | 20.0k | 画像 |
9 / TOKYO MX(MX) | 15.0k | 画像 |
3 / チバテレビ(CTC) | 15.0k | |
3 / テレビ埼玉(TVS) | 15.0k | |
3 / tvk(tvk) | 20.0k / 16.0k(*1) |
画像 ( カーソル位置が 20.0kHz ) |
(*1) 基本的に16kHz までしか出ないが、音量が大きくなると瞬間的に 20kHz まで出ている。tvk
独特の特徴。
ちなみに昔(〜2010年10月位)は普通に 20k まで出ていたことを確認している。
見ての通り、おおかたの民放は 15.0kHz で不自然なまでにバッサリ切られています。
サンプリング周波数で換算すると 32kHz サンプリング同等以下、FM音質といい勝負でしょう。
それでも、フジテレビ と NHK はなんとかちゃんと 20kHz まで出ています。
tvk は独特のスペクトラムの傾向になるが、それでも16kHz までは確実に出ているので、他のU局よりは音質が良く感じられるでしょう。
※BSデジタルは通販番組ばかりやっていますが、通販番組は参考にならないので、TV局製作番組で比較しています
チャンネル番号 / チャンネル名 | 実質カットオフ周波数 [Hz] | スペクトラム [range: 0-22kHz] |
101 / NHKBS1 | 15.0k? | |
103 / NHKBSプレミアム | 20.0k | |
141 / BS日テレ | 16.5k? | |
151 / BS朝日 | 15.0k | |
161 / BS-TBS | 15.0k | |
171 / BSジャパン | 15.0k | |
181 / BSフジ | 20.0k | |
211 / BS11 | 20.3k | 画像 |
221 / TwellV | 20.0k |
地上波系列局をもつ放送局に関しては、地上デジタル同様の酷いありさまです。
BS朝日、BS-TBS などは一日中通販番組で、音もダメ画質もダメでは、存在価値を疑ってしまいます。
一方、最近できた BS11 はしっかり 20kHz まで音が出ているため、高ビットレートの映像と相俟ってたいへん好印象です。
チャンネル番号 / チャンネル名 | 実質カットオフ周波数 [Hz] | スペクトラム [range: 0-22kHz] |
553 / M-ON! (HD) | N/A | 画像 ( カーソル位置が 21.0kHz ) |
501 / スペースシャワーTV | 20.0k? (*1) |
画像 |
552 / MTV (HD) | N/A | |
751 / フジテレビONE (HD) | 16.0k | |
659 / MONDO (HD) | N/A | |
356 / CH-NECO (HD) | 20.0k | |
357 / ファミリー劇場 (HD) | N/A | |
753 / TBS-CH (HD) | 16.0k | |
451 / Kids Station (HD) | N/A | |
453 / アニマックス (HD) | N/A |
(*1) :
そもそもの音声ビットレートが低いため、圧縮により高域が削られている
聴いた感じで言うと、あまり音質は良くない
独立系の(=系列地上波チャンネルをもたない)HDチャンネルは、おおむねカットオフ 20kHz 以上に設定されているようです。
一方、SDチャンネルはそもそもの音声ビットレートが低く設定されているため、エンコードの時点で大部分の高域がカットされています。
チャンネル番号 / チャンネル名 | 実質カットオフ周波数 [Hz] | 画像 [range: 0-22kHz] |
333 / AT-X | N/A | 画像 |
335 / キッズステーション | 20.0k | |
325 / M-ON TV (SD) | 16.0k | |
321 / スペースシャワーTV プラス | 16.0k | |
223 / チャンネルNECO | 16.0k |
AT-X は AAC 320kbps なので抜群に音質が良いです。
他の スカパーe2 チャンネルは、他放送システムよりも低音質で放送されているような印象です。
カットオフ種類 | 15.0kHz | 16.0kHz | 20.0kHz | N/A(>20.0kHz) | 特殊:tvk 型 |
スペクトラム 縦軸:周波数 (リニア 0-22k) 横軸:時間 |
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地上デジタル |
NTV[4] |
- | NHK[1][2] CX[8] |
- | TVK[3] |
BSデジタル | BS-ASAHI[151] BS-TBS[161] BS-JAPAN[171] |
BS-NTV[141] |
NHKBS1[101] |
- | - |
CSデジタル |
- |
SSTV+ e2[321] |
ch-neco HD[356] SSTV[501] |
Kids HD[451] |
- |
スカパー! e2 | - | (多数のSD-ch) | Kids HD[335] | AT-X[333] | - |
帯域の面だけ見れば、地上デジタル放送は FMアナログ放送並の音質といえるでしょう。
同じデジタルTV放送でも、放送局によってこれだけのカットオフ周波数の差異が見られます。
特に、地上波放送局、およびその系列局の音質の悪さが読み取れます。
この低音質化処理は意図していないといえるでしょうか?
カットオフ 15kHz というのは、音声信号をFM変調していたアナログTV時代の名残でしょう。
アナログTVが廃止された 2012年 現在でも、技術的問題が解決したにも関わらずこれをそのままにしておくのは疑問に思います。
(まして、「地上デジタルで音質が良くなる」と宣伝していた以上!)人間の可聴域上限は 約15〜20kHz と言われています。これだけ聞くと、カットオフ周波数 15-16kHz でも充分な気がしてきます。
可聴域の定義はあくまで純音 (sin 波) の話です。たとえば倍音としてそれらの音域に高調波が含まれるような場合
(それは音楽にありがちなパターンである)、人間は差異を感じないままなのでしょうか?視覚には「超視力」という概念が存在します。単体では峻別できないような小さな刺激でも、他の刺激の中の差異として組み込まれることで
それを判別できるというケースがあるということです。
つまり、単体で感知できないような刺激をも、人間は実際に情報処理に利用しているのです。スペクトラムでみてわかるように、実質カットオフ15/16kHz と20kHz、カットオフなし(N/A)との差異は顕著であるといえます。
実際に聴いてみても、地上波でありがちな ハイカット15kHz では、どうしても物足りなさ、安っぽさを感じてしまいます。
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